AI技術を駆使したイラスト制作ツール「Paints-Undo」は、画像生成やタイムラプス機能で多くのクリエイターに支持されています。
しかし、便利さの一方で、「詐欺や著作権問題を引き起こす可能性がある」との批判も浮上。
本記事ではPaints-Undoについて解説し、世間の反応について紹介します。
賛否が分かれる中、この新たなツールがクリエイティブ業界に与える影響が注目されています。
Paints-Undoとは?主な機能や使用できるPCスペックを紹介
Paints-Undoを開発したのは、AI研究者で、人気の画像生成AI『ControlNet』の生みの親でもあるlllyasviel(イリヤスフィール)さんです。
ここからはPaints-Undoの主な機能や使用環境について紹介します。
Paints-Undo(ペイント ドゥ)はAIでイラスト制作を自動化する便利なツール
Paints-Undoは、AI技術を活用してイラスト制作を自動化するツールです。
ユーザーが描いたラフなスケッチや構図に基づき、AIが線画の修正や色付けを行い、プロフェッショナルな仕上がりを短時間で実現します。
このツールは、アマチュアからプロのアーティストまで幅広く利用されており、特に時間短縮や効率化を求めるクリエイターに支持されています。
さらに、Paints-Undoは描画プロセスの自動記録機能も備えており、制作過程をタイムラプス動画として生成することが可能です。
タイムラプス動画とは?
タイムラプス動画は、長時間かけて撮影した映像を短縮して再生する動画のこと。
例えば花が咲く様子や空の雲の動きなど通常はゆっくり経過する変化を短時間で見ることができます。
こうした機能により、SNSなどで制作過程を簡単にシェアできるため、多くのアーティストから称賛されています。
一方で、AIによるイラスト制作が広がることで、「AIが制作した作品の真偽」や「創作における倫理観」に対する懸念も出ています。
Paints-Undoの主な機能
Paints-Undoの主な機能は以下の7つ。
- AI補助描画機能
- 自動色付け機能
- タイムラプス動画生成機能
- 多彩なブラシツール
- レイヤー管理機能
- クラウド同期機能
- ソーシャルメディア連携
1. AI補助描画機能
Paints-UndoはAIによる補助描画機能を搭載しており、ユーザーが描いたラフなスケッチや不完全な線を、AIが自動で修正し、正確で美しい線画に仕上げます。
この機能により、アーティストは細部にこだわることなく、短時間でプロフェッショナルな仕上がりを実現できます。
2. 自動色付け機能
AIはイラストのベースカラーを自動的に選定し、短時間で色を塗ることが可能です。
手作業で色付けを行う時間を大幅に削減でき、クリエイターはさらに複雑な表現や仕上げに集中できるというメリットがあります。
3. タイムラプス動画生成機能
Paints-Undoは、イラスト制作の過程を自動で記録し、タイムラプス動画として生成する機能を備えています。
これにより、制作過程を振り返ることができるだけでなく、SNSなどで制作の流れを公開する際にも便利です。
動画の再生速度や編集も可能です。
4. 多彩なブラシツール
Paints-Undoには多くのブラシが用意されており、ユーザーは自由にブラシの設定や質感を調整できます。
これにより、様々なスタイルのイラストを描くことが可能です。
また、筆圧にも対応しているため、細かい表現が求められる作品にも最適です。
5. レイヤー管理機能
複数のレイヤーを使った作業が可能で、イラストの各要素を個別に管理できます。
レイヤーの透明度や順番を自由に調整でき、複雑な作品でも整理された状態で効率的に作業が進められます。
6. クラウド同期機能
クラウド同期により、作業データを複数のデバイス間でシームレスに共有可能です。
自宅や外出先など、異なる環境でも同じプロジェクトに取り組むことができ、柔軟な作業スタイルを実現します。
7. ソーシャルメディア連携
Paints-Undoはソーシャルメディアとの連携機能を備えており、作成した作品やタイムラプス動画を簡単にSNSで共有できます。
これにより、自分の制作過程や完成作品をフォロワーにすぐに披露することが可能です。
Paints-Undoの使用環境と処理能力
Paints-Undoをスムーズに動かすためには、以下のスペックや性能を持つPCの使用がおすすめです。
- CPU:できるだけ新しいもの
例:IntelのCore i5やi7、AMDのRyzen 5や7 - GPU:ゲームやグラフィックを扱うパソコンに搭載されている中程度の性能
例:NVIDIAのRTX 4090や3090Ti - メモリ: 16GB以上
生成時間はPCのスペックによって異なりますが、目安は1枚あたり5~10分程度です。
ただし、ディティールが細かいイラストなどは処理が複雑になるため、通常よりも生成に時間がかかると考えられます。
Paints-Undoによる作品をチェック
実際にPaints-Undoを使って作られた動画を見てみましょう。
立体感のあるイラストでは光と影や背景の書き込みなど情報が多くなるため、やや処理しきれていない印象です。
平面のイラストは比較的自然に見えるものの、やはり人間が描いたものに比べると違和感があります。
違和感の原因は目の大きさや体の角度の微調整など、細かな描写が表現しきれていないためだと感じました。
とはいえ、ここまで本物に寄せているのは凄い!
今後さらに改善されていけば、人間が描いたものと見分けがつかなくなるかもしれません。
Paints-Undoに対する世間の反応
Paints-Undoに対する世間の反応はまちまちです。
意外に多く寄せられたのが「詐欺に使われそう」という懸念の声。
「AIが描いてどうするの?」という疑問を持つ人も多くいるようです。
また、AIの台頭で「人間の仕事が減るのでは…」という不安を吐露する人もいました。
その一方で、実際に絵を描く人からは「絵の参考になる」「クオリティが高い!」といった声も多く上がっています。
中には今回のAI動画を見て「イラストをもう一度やろう!」と一念発起した人も。
まとめ
人によってさまざまな受け取り方ができるPaints-Undo。
このAIの登場が今後どのようにイラストレーターや絵師の人々、あるいは芸術作品自体にどのような影響を与えていくのかが気になりますね。
インダストリアル・ドリーム株式会社について
国内で初めて独自LLMを取り入れたwebサービスである創作支援アプリAI BunChoを開発・運営しています。
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