Sakana.aiによるEvo-UkiyoeとEvo-Nishikieが浮世絵をAIで蘇らせる?画像生成AIで伝統芸術をデジタル化

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Sakana.aiが革新する浮世絵と錦絵: 画像生成AIで伝統芸術をデジタル化アイキャッチ画像

浮世絵や錦絵は、江戸時代から多くの人々を魅了し続けてきた日本の伝統芸術です。

しかし、時代が進む中で浮世絵は衰退し、今では現存している浮世絵の保存や復元が課題に。

そんな中、AI技術がこれらの芸術を新しい形で再現し、保存する手助けをしているのをご存じでしょうか?

Sakana.aiが開発した「Evo-Ukiyoe」と「Evo-Nishikie」というAIモデルは、テキストや画像から浮世絵や錦絵を生成・カラー化できる技術を持っています。

この画期的な技術が、どのようにして日本の文化遺産を守り、新しい形で人々に伝えているのかをご紹介します。

目次

Sakana.aiとは?

Sakana.aiは、日本の伝統芸術である浮世絵や錦絵をAI技術で再現・保存することを目的としたAIスタートアップです。

このプロジェクトは、元Googleの研究者であるリオン・ジョーンズ氏とデビッド・ハー氏が設立し、東京都港区に拠点を置いています。

Sakana.aiは、後述する「Evo-Ukiyoe」や「Evo-Nishikie」という画像生成AIを開発しており、歴史や文化を保存・発展させる新しい方法を提供し、教育や研究の分野での活用が期待されています。

Sakana.aiが発表した生成AI「Evo-Ukiyoe」と「Evo-Nishikie」

Sakana.aiが発表した生成AI「Evo-Ukiyoe」と「Evo-Nishikie」について詳しく紹介します。

【Evo-Ukiyoe】テキストから浮世絵を生成するAI

「Evo-Ukiyoe」は、テキストを入力するだけで浮世絵風の画像を生成できるAIです。

この技術の背景には、Sakana.aiが2024年に発表した「EvoSDXL-JP」というAI技術があり、これを基に開発されました。

Evo-Ukiyoeは、立命館大学アート・リサーチセンターが提供した24,000点以上の浮世絵データを学習し、特定の言葉に合った浮世絵を作り出すことができます。

例えば浮世絵でよく使われる「富士山」や「江戸時代の街並み」といったキーワードを入力すると、そのテーマに沿った浮世絵をAIが生成します。

一方、浮世絵が発達した時代に存在しなかったもの、例えばパソコンやスマートフォンなどの電子機器や洋服などは浮世絵風になるのは難しいのだとか。

江戸時代になかったものは学習データセットに存在しないため、どうしても浮世絵らしくないタッチで仕上がってしまいます。

Evo-Ukiyoe デモ生成ページはこちら

【Evo-Nishikie】 モノクロ浮世絵をカラー化するAI

「Evo-Nishikie」は、すでにあるモノクロの浮世絵をカラー化するAIモデルです。

白黒の古い浮世絵に色を加えることで、過去の芸術作品が新しい命を吹き込まれたように鮮やかに蘇ります。

入力した画像を分析し、適切な色彩を自動的に適用してくれるのですが、ユーザーがプロンプトを設定することで、色のトーンや雰囲気を調整することも可能

例えば、明るい色調で現代風にアレンジすることもできます。

Evo-Nishikie デモ生成ページはこちら

Evo-Nishikieが伝統的な芸術をどのように強化するか

浮世絵は時間が経つにつれて紙や色彩が劣化し、色が失われてしまうことが多くありました。

しかし、Evo-Nishikieを使えばこれらの作品をデジタルで復元し、まるで当時の鮮やかな色彩が蘇ったかのように再現できるのです。

また、Evo-Nishikieの登場により、学者や研究者が過去の作品をより深く理解できるようになるだけでなく、美術館や教育現場でも展示が可能に。

色彩豊かな浮世絵を見ることで、子供たちの色彩感覚を養ったり、芸術への興味関心を引く機会が増えるのではないでしょうか?

Evo-UkiyoeとEvo-Nishikieの重要性

浮世絵や錦絵は、日本の文化にとって重要な遺産ですが、これを次の世代に伝える方法は限られています。

Sakana.aiの技術は、これらの芸術を新しい形で保存し、現代でも楽しめるようにしています。

特にEvo-Nishikieは、過去のモノクロ作品をカラーで蘇らせることで、失われた美しさを取り戻し、芸術作品への新しい視点を提供します。

また、商業目的ではなく研究や教育のために無料で公開されていることも、この技術の大きな特徴です。

Evo-UkiyoeとEvo-Nishikieの使い方

Sakana.aiのEvo-UkiyoeとEvo-Nishikieは、誰でも簡単に使うことができます。

まず、Hugging FaceというAIプラットフォームにアクセスし、テキストや画像を入力するだけです。

Evo-Ukiyoeでは、例えば「侍」と入力すると、浮世絵スタイルの侍のイラストが生成されます。

一方、Evo-Nishikieでは、昔の白黒浮世絵の画像をアップロードすると、その画像をカラー化したり、様々なアレンジが加えられたバージョンを生成してくれます。

どちらも使い方がシンプルで、技術的な知識がなくても利用できるのが嬉しいですね。

Evo-Ukiyoeを実際に使ってみた

筆者も試しに作成してみました。

プロンプトは「植物と花があります。蝶が飛んでいます。」の2つの文章だけでしたが、意外にも実在しそうな浮世絵が完成しました。

引用:Evo-Ukiyoe

花はクレマチスでしょうか?

蝶のクオリティが低い、花には見えるけど何の花か分からないなど、細部までみるとおかしな点は多々ありますが、1回の出力でここまでの絵を出力してくれるのは面白いですね。

ちなみにプロンプトに「輻の浮世絵」と入れるとクオリティが上がるのだとか。

引用:Evo-Ukiyoe

先程とは異なり、蝶と花のクオリティが格段に上がりました!

まだ実験段階のプロトタイプということですが、クオリティが高く、これは子どもたちも楽しく学べるのでは?

AIを使いながら、芸術への理解も深められる良い技術だと感じました!

Sakana.aiが浮世絵と錦絵をAIで蘇らせる?画像生成AIで伝統芸術をデジタル化:まとめ

教育や研究、そしてアート制作の現場で、これらのAIは新しい可能性を提供しています。伝統的なアートを未来へと引き継ぐための強力なツールとして、多くの人に利用されることが期待されています。

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